1991.9.5-

 教育・福祉とエレクトロニクス懇話会は、1991年9月にオープンな勉強会として始めました。回を重ね、参加してくださった方の数は延べ千数百人になります。お茶を飲みながら、その時々の話題について互いに研鑚を深めることができました。教育や福祉に関する興味深い話題を提供していただいた方々、ならびに陰に陽に支援してくださった多くの方々に厚くお礼を申し上げます。

 懇話会は第110回(2019.3)をもって終了しました。

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「教育・福祉とエレクトロニクス」懇話会

呼びかけ人: 小山智史
西沢勝則
川村泰弘
久保真一

1. 懇話会の趣旨

 教育や福祉はわれわれの日常生活に深くかかわっていますが、これらの仕事に携わる者は日々多くの問題に直面します。その問題の中には、エレクトロニクスなどの技術で解決できるものが多くあります。例えば、補聴器や視覚障害者用ワープロなどの機器が障害者の日常生活を支えていることはご承知のとおりですし、小中学校はもちろん、養護学校でも児童の学習活動にパソコンが活躍しています。
 今日の技術の発展には目を見張るものがあります。しかし、技術が極度に細分化専門化された結果、技術者にとっては自分の仕事が社会のどの位置を担っているのか理解しにくくなってしまいました。単に技術的な興味を満たすだけでなく、「自らの専門技術を我々の日常に還元したい」と、多くの技術者が思っています。
 「私たちの技術」であるためには、技術者と技術を必要とする者とが一緒になって考えることが重要です。実際には、新規に何かを開発するというよりも、「既存の技術の組み合わせ」や「ちょっとした工夫」で済むことが多いものです。
 この懇話会は、「教育や福祉とエレクトロニクスの接点」を共通の話題にし、「技術的に解決できそうな教育や福祉の問題を問題解決的に扱うこと」を趣旨として開催しています。ただし、解決できるかどうかはやってみないとわかりませんし、まったく違う分野の話が思わぬところで参考になることもあるものです。その意味で、上記の趣旨を念頭におきながら、多方面の方に専門性を生かした話題を提供していただきたいと思っています。

2. 懇話会の進め方と会合の案内

 毎回どなたかに当番をお願いし、話題を提供していただきます。「ある問題を解決するのに、自分のところではこんなふうにやっているがもっとうまい方法はないか?」とか、「自分はこんな技術を持っているが、もしかしたらこんなところに役立つんじゃないか?」というような具合です。発表会形式ではなく、お茶を飲みながら自由討議(雑談)を中心に進めています。
 教育や福祉の現場で活躍されている方はもちろん、会社員、技術者、学生、主婦、ボランティアの方、障害者自身など、懇話会の趣旨に賛同される方であればどなたでも参加できます。多方面の方々の参加を期待しています。会員(常連)の当番持ち回りを原則として運営していますが、会合はオープンにし、「1回限りの参加」の方も歓迎いたします。会費および参加費は無料です。

3. これまでの話題

第1回(1991.9.5) 「障害者用ソフトパック」について小山智史(弘前大学教育学部)
第2回(1991.10.3) コンピュータを利用した教具開発について 西沢勝則(弘前大学教育学部附属養護学校)
第3回(1991.11.7) 電子機器アクセシビリティとその普及について 飯塚潤一(富士通株式会社)
第4回(1991.12.5) 肢体不自由者の介護と補装具の利用 久保真一(山郷館)
第5回(1992.1.16) 精神薄弱教育におけるパソコンの学習活用事例 川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第6回(1992.2.6) デジタルネットワークの活用あれこれ 水木達郎(NTT弘前支店)
第7回(1992.3.5) 大型計算機による英文点訳システムの開発 高橋信進(五所川原工業高校)
第8回(1992.4.2) 特殊教育に関する最新の話題あれこれ 中村 修(弘前大学教育学部附属養護学校)
第9回(1992.5.7) パソコン & コマ撮りVTR の教育利用 山田禎人(RAB開発(株))
第10回(1992.6.4) 肢体不自由児用ワープロのプログラムについて 中堀久雄(青森第一養護学校)
第11回(1992.7.2) MSXパソコンを使った中学校数学教育の実践について長尾修一郎(青森市立甲田中学校)
第12回(1992.8.29) リポート「ハイテク福祉日本縦断」 太田 茂(川崎医療福祉大学)
楽々ハンディキャップ・ライフ入門 石川 准(静岡県立大学国際関係学部)
第13回(1992.10.1) 附属養護学校におけるコンピュータ利用学習 西沢勝則(弘前大学教育学部附属養護学校)
第14回(1992.11.5) 弘前大学教育学部のコンピュータネットワーク 小山智史(弘前大学教育学部)
第15回(1992.12.3) 附属中学校におけるコンピュータ利用学習 阿保昭彦(弘前大学教育学部附属中学校)
第16回(1993.1.7) エレクトロニクス活用の環境を整えるために 千葉修治(山郷館)
第17回(1993.2.4) FM-TOWNSの活用について 長尾修一郎(青森市立甲田中学校)
第18回(1993.3.4) 『音』に関する最新技術 山田禎人(RAB開発(株))
第19回(1993.4.1) KJ法について 福士 襄(弘前大学教育学部)
第20回(1993.5.6) 障害者用自助具『音声認識電動ベッド』の開発 伊東孝三(ヒューマンライフ弘前)
第21回(1993.6.3) 肢体不自由者用パソコン入力ソフトの開発 小山智史(弘前大学教育学部)
第22回(1993.7.8) 養護学校におけるコンピュータネットワークの活用西沢勝則(弘前大学教育学部附属養護学校)
第23回(1993.9.2) 上肢肢体不自由者向け入力装置の紹介 飯塚潤一(富士通株式会社)
第24回(1993.10.7) パソコンネットワークと文献データベースの利用小山智史(弘前大学教育学部)
第25回(1993.11.4) 福祉施設の処遇記録のパソコン化 久保真一(旭光園)
第26回(1993.12.9) Macで作るパソコン教材・実践講座 中村 修(弘前大学教育学部附属養護学校)
第27回(1994.2.3) Windwos活用事例のいろいろ 小野義英(マイスターソフト(有))
第28回(1994.3.3) 電動車椅子のしくみと動作について 三浦 武((株)デジタルストリーム)
第29回(1994.5.12) 視覚障害者の触読のための表示・印刷方法について小山智史(弘前大学教育学部)
第30回(1994.6.2) 療護施設での福祉機器の利用状況(現状と展望)新谷千春(山郷館)
第31回(1994.7.7) マルチメディアネットワークとその利用 小山智史(弘前大学教育学部)
第32回(1994.9.1) 開眼手術後に見える世界 佐々木正晴(弘前学院大学)
第33回(1994.10.6) 平仮名の指導におけるコンピュータ教材の活用 照井美紀子(弘前大学附属養護学校)
第34回(1994.12.1) 青森県の学校教育におけるコンピュータの活用とその指導について高橋信進(青森県情報処理教育センター)
第35回(1995.2.9) リハビリテーションにおける理学療法の役割とその実際河原優美子(山郷館)
第36回(1995.4.6) 重度肢体不自由者用の効率の良い符号化入力方式について小山智史(弘前大学教育学部)
第37回(1995.5.11) パソコンでできる「電子ファイルシステム」の紹介太田貴之(富士通株式会社)
第38回(1995.6.7) 最近の「教育用CD-ROMソフト」の紹介 菊地宏信(高木学習社)
第39回(1995.7.13) 精神遅滞児教育におけるコンピュータの学習利用に関する一考察川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第40回(1995.9.7) Macで作るパソコン教材・実践講座 PART2 中村修(弘前大学教育学部附属養護学校)
第41回(1995.10.5) インターネットとその活用 小山智史(弘前大学教育学部)
第42回(1995.11.9) 福祉情報機器・最先端 小澤邦昭((株)日立製作所)
第43回(1995.12.7) おでかけチェックシステム 久保真一(旭光園)
第44回(1996.1.11) アメリカのリハビリテーション医療・見聞記 河原優美子(山郷館)
第45回(1996.2.1) 肢体不自由児の体格・体力・運動能力の実態について中堀久雄(青森第一養護学校)
第46回(1996.4.11) 音楽教育とコンピュータ 三浦 忍(弘前大学教育学部附属小学校)
第47回(1996.6.6) 「The 津軽藩ホームページ」とホームページ 川嶋寛巳(弘前商工会議所青年部)
第48回(1996.10.3) 暗示によるリラクセーション法とイメージ 高梨一彦(弘前大学医療技術短期大学部)
第49回(1996.11.7) インターネットとその活用 小山智史(弘前大学教育学部)
第50回(1996.12.5) 盲学校と情報機器 内田利男(青森県立盲学校)
第51回(1997.2.6) 海外の学校におけるコンピュータ利用 西沢勝則(弘前大学教育学部附属養護学校)
第52回(1997.4.3) 行列スキャン入力方式の効率改善について 小山智史(弘前大学教育学部)
第53回(1997.5.8) 知的障害者の地域生活獲得のための援助システムについて高橋正安(拓光園)
第54回(1997.6.12) 日本人学校での教育実践と韓国文化の紹介 阿部 誠(黒石市立牡丹平小学校)
第55回(1997.10.9) 知的障害児を対象としたコンピュータの学習利用川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第56回(1998.2.5) JavaScriptを用いた教材ページの作成 小山智史(弘前大学教育学部)
第57回(1998.3.5) 10年目を迎えた筑波技術短期大学の聴覚障害者教育青山彦聖(筑波技術短期大学)
第58回(1998.4.2) 開眼手術後の視覚形成:重複障害児の事例 佐々木正晴(弘前学院大学)
第59回(1998.5.7) すべての人の心を癒す『園芸療法』 中野渡利彦(青森県アグリセラピー推進協議会)
第60回(1998.7.2) 先端の人工知能ロボットと福祉用具への応用 五味隆志((株)AAIジャパン)
第61回(1998.9.3) 予測機構を組み込んだ行列スキャン入力方式 小山智史(弘前大学教育学部)
第62回(1998.10.1) 知的障害児を対象としたインターネットの学習利用について川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第63回(1998.11.5) 介入型の研究について--単一被験体実験の考え方--高梨一彦(弘前大学医療技術短期大学部)
第64回(1998.12.3) 最近の福祉情報機器:国際福祉機器展とCOM JAPAN小澤邦昭((株)日立製作所)
第65回(1999.2.18) ドラッグ&ドロップを使ったWeb教材の開発方法に関する研究渡辺真希(弘前大学教育学部学生)
Webページによる手話学習システムの開発村川圭亮(弘前大学教育学部学生)
予測式コミュニケーションエイドの使い易さの分析と改善天内裕子, 鹿内奈津子(弘前大学教育学部学生)
第66回(1999.4.8) 肢体不自由児のためのスイッチや入力方法の工夫林崎俊男(弘前第二養護学校)
第67回(1999.5.1) 視覚障害者の情報処理・福祉・就労 井上英子(日本盲人職能開発センター)
第68回(1999.6.10) アメリカの障害児教育と福祉事情 安藤房治(弘前大学教育学部)
第69回(1999.9.2) 健常者と障害者が共同利用できるWeb教材の開発小山智史(弘前大学教育学部)
第70回(1999.10.14) 人間の視覚神経回路の仕組みを模した自己組織機能をもつ多層回路について雨森道紘(弘前大学理工学部)
第71回(1999.11.11) 最近の福祉情報機器:国際福祉機器展99 久保真一(旭光園)
第72回(2000.2.12) 肢体不自由者がスキャン操作で利用できるWeb教材の試作宮本布美子(弘前大学教育学部学生)
視覚障害者を考慮したWebページに関する研究川上淑美(弘前大学教育学部学生)
Web教材の作成を支援するシステムの開発佐藤秀一(弘前大学教育学部学生)
行列スキャン入力方式に組み込む予測文字の配置の検討佐々木大真(弘前大学教育学部学生)
第73回(2000.4.6) 岩木病院の筋ジストロフィー患者について 下山庸子(国立療養所岩木病院)
第74回(2000.5.18) かずの学習における子どものつまずきと具体的援助川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第75回(2000.8.24) 授産施設の現状と展望 久保真一(旭光園)
第76回(2000.10.5) 技術を社会に活かす「ものづくり」教育 中村昭逸(青森工業高校)
第77回(2000.11.2) 教育情報化推進指導者養成研修に参加して 林崎俊男(弘前第二養護学校)
第78回(2000.12.13) 重複障害児のパソコン利用の試み 下山直人(青森第一養護学校)
第79回(2001.3.1) ワンチップマイコンで作る福祉機器:「なんでもリモコン」小山智史(弘前大学教育学部)
第80回(2001.5.17) 知的障害児の生活自立と社会参加を支援するための情報通信機器の活用川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第81回(2001.6.14) 画像の自動認識とその応用 雨森道紘(弘前大学理工学部)
第82回(2001.9.6) パソコン電子辞書による英文翻訳--自閉症児の社会的情緒的な障害の主体--中堀久雄(浪岡養護学校)
特別企画「なんでもリモコン」製作教室小山智史(弘前大学教育学部)
第83回(2001.11.8) Web教材「成長の記録」について 森菜穂子(弘前市立新和中学校・弘大院)
第84回(2002.2.9) 実物移動で入力するWeb教材に関する研究工藤真純(弘前大学教育学部学生)
視覚障害者に使いやすいWeb環境の設定に関する研究遠藤ゆかり(弘前大学教育学部学生)
筋ジストロフィー患者の意志の伝達に有効なシステムに関する検討田中類子(弘前大学教育学部学生)
第85回(2002.3.16) IT時代の「元気な高齢者の独り暮らし」応援システム太田茂(川崎医療福祉大学)
福祉機器はこうして誕生する--電子技術者の福祉機器開発秘話--内山幹男(福祉システム研究会)
第86回(2002.6.20) コンピュータ支援細胞診断システムについて 雨森道紘(弘前大学理工学部)
第87回(2002.9.5) 大空と街づくり(感性を刺激する地域文化) 久保田聡(青森県企画振興部市町村振興課)
第88回(2002.11.5) 障害を克服するスイッチづくり 久保真一(サンアップルホーム)
第89回(2003.3.8) 神経筋疾患とMAKE A WISH 大竹進(大竹整形外科)
第90回(2003.9.4) 視覚障害者用Windowsソフトを増やす方法 小山智史(弘前大学教育学部)
第91回(2003.11.11) 難聴と補聴器・人工内耳 渋屋康則, 大畑秀央(城東学園)
第92回(2004.2.3) 視察報告: 北欧諸国の教育と福祉 川村泰弘(弘前大学教育学部附属養護学校)
第93回(2004.5.13) 高齢者支援技術の動向と「気になる写真立て」の開発小山智史(弘前大学教育学部)
第94回(2005.2.5) PPM符号化法に基づく文字入力方式に関する研究田中大助(弘前大学教育学部学生)
第95回(2005.4.28) 長期入院する筋ジストロフィー者を取り巻く生活環境について小関敦(国立青森病院)
第96回(2005.7.8) 「私だけの電子オルゴール」製作教室 小山智史(弘前大学教育学部)
第97回(2006.3.13) 保健および算数で用いる教育用ソフトの構想 眞栄田由美(弘前市立東小学校)
聴覚障害者の発声時顔動画像から音韻の発音学習度を推定する方法青山彦聖(筑波技術大学)
第98回(2006.5.16) 視察報告: スウェーデンの高齢者福祉(スウェーデンの老後は本当に安心か)笹志津(青森大学 社会福祉学科)
第99回(2007.3.19) 研修報告: 地デジを利用した自治体と地域社会のしくみづくり久保田聡(青森県県土整備部)
アナログテレビ再利用プロジェクト小山智史(弘前大学教育学部)
第100回(2007.10.5) 視覚障害就労生涯学習支援センターの紹介 井上英子(視覚障害就労生涯学習支援センター)
自分でできる運動診による診断と治療 鎌滝隆一(鎌滝治療院・古典はり研究会)
第101回(2008.2.23) 太陽と地球の模型を操作しながら学習できる天文教育教材の開発に関する研究長谷川文子(弘前大学教育学部学生)
骨振動を入力信号として利用したインターフェースの研究塩原翼(弘前大学教育学部学生)
第102回(2008.11.14)楽しく運動「インターネットエアロバイク」小山智史(弘前大学教育学部 )
淋代香織(弘前大学教育学部 附属特別支援学校)
第103回(2009.6.25) 療養介護病棟と利用者さんにとってのスイッチの重要性佐々木房子(国立青森病院 児童指導員)
ALSを患う方のコミュニケーション支援について小島義尚(国立青森病院 作業療法士)
第104回(2009.7.25) タイムエイド製作教室小山智史(弘前大学教育学部 )
梅村博之(弘前大学教育学部 附属特別支援学校)
第105回(2011.11.12)Web版DAISYプレーヤー & DAISY風テキストリーダー小山智史(弘前大学教育学部 )
第106回(2012.4.28) DAISY版教科書の提供状況について 神山博(青森公立大学)
実習: Web版DAISYプレーヤー & DAISY風テキストリーダー小山智史(弘前大学教育学部 )
第107回(2013.12.20) システム思考とデザイン思考--ナブラ人材の育成の取組-- 山崎淳一郎(弘前大学研究推進部)
教育・福祉とエレクトロニクス--ITを活用したゆるやかな生活支援--小山智史(弘前大学教育学部)
第108回(2015.3.6) 多様な視覚障害者に対応する「カラー版触図」 飯塚潤一(筑波技術大学)
合成音声を用いた新しい在宅吃音訓練法小山内筆子(弘前医療福祉大学)
第109回(2015.12.11) 視覚障害者や聴覚障害者の日常生活をサポートするiPadの機能 太田聡美(青森県企画政策部)
髙森三樹(あおもりIT活用サポートセンター)
第110回(2019.3.2-3)
(最終回)
私が作った福祉機器(展示)小山智史(弘前大学教育学部 )

koyama88@cameo.plala.or.jp