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80点(1989)

 DOS版の自動点訳ソフトです。10年間、たくさんの方に使っていただきました。後に、Windowsでも利用できるようにしました(上図)。

 「自動点訳」はパーフェクトな点訳はできないので、利用者が誤りを含んでいることを承知で利用するか点訳者が誤りを修正して利用します。

 「80点」は同時期に複数登場した日本語自動点訳ソフトのひとつです。長谷川貞夫先生(当時 筑波大学附属盲学校)、飯塚潤一氏(当時 富士通株式会社)と一緒に開発し、フリーソフトとして配布しました。文字列の置き換えによる単純な仕組みでしたが、利用に耐える点訳精度を得ることができました。漢字からカナへの変換は川野勇氏(野田市)が開発したZTOHというフリーソフトを使いました。

 内田利男先生(当時 青森県立盲学校)によれば、80点はさまざまな場面で使われたようです。会議資料は直前に作成されることもしばしばで、すると点訳が間に合いません。そのような場合、少々点訳誤りがあっても、点字資料を用意してもらえるようになったとのこと。また、それまで点字の給与明細をもらうことはなかったそうですが、自動点訳で給与明細を初めて自分で読めたとおっしゃっていました。

(参考資料)

[1] テキストエディタを利用した日本語文書の簡易自動点訳, 第15回感覚代行シンポジウム, 1989.
[2] 自動点訳システム「80点」, 視覚障害, 1990.
[3] 日本語自動点訳ソフトウェアの技術的問題点と改良の指針, 情報処理学会ヒューマンインタフェース研究会, 1993.
[4] テキストエディタを利用した日本語文書の自動点訳, 弘前大学教育学部紀要, 1993.


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