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デジタル補聴器(1986)

 数百Hzから上の高い音がほとんど聞こえなくなる高音急墜性難聴のための特殊な補聴器です。当時、高い音を低い可聴域に周波数シフトする方式(FAF)の補聴器はありましたが、音の自然性は損なわれてしまいます。そこで、周波数シフトではなく、調波構造を維持しながら帯域圧縮する補聴器を作ってみました。

 国立リハビリテーションセンターの真鍋敏毅先生と取り組みました。

 装置の中は汎用マイコン(Z80)を使って作りましたが、同じ頃にDSP(Digital Signal Processor)がTIや富士通から発表され、デジタル補聴器の幕開けの時期でした。

 同じ頃に、クラリオンから「音程を変えられるカラオケ」が登場しました。中の仕組みは同じようなものでした。

(参考資料)

[1] 時間軸処理で得られる帯域圧縮信号の品質改善, 日本音響学会講演論文集,1984.
[2] 時間領域処理で得られる周波数圧伸信号のスペクトル, 電子通信学会論文誌, 1984.
[3] 周波数圧縮音声の評価—直接時間領域処理法を用いて—, 第29回日本音声言語医学会学術講演会, 1984.
[4] 周波数圧縮音声の評価—その2. 後天性難聴における効果について—, 第30 回日本音声言語医学会学術講演会, 1985
[5] 聴覚障害者における周波数圧縮音声の効果について, 電子通信学会音声研究会, 1986.


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