2012.5.19-20 放送大学・青森 資料3

電子オルゴールの仕組み

小山智史(弘前大学教育学部)

1. 音と振動

  1. ラジカセなどを分解し、少し大きいスピーカーを用意します。

  2. スピーカーに電池を接続すると「ガリッ」と音がします。手でスピーカーのコーンに触れてみると、コーンの動きを実感できます。電池を反対向きに接続すると、コーンは反対向きに動きます。

  3. 手回しの交流発電機をスピーカーに接続し、発電させてみます。コーンは前後に動き、空気の疎密波となり私達の耳に伝わります。これが私達が感じる音です。速く回すと高く大きな音になります。

  4. 電子オルゴールには、このような本格的なスピーカーを用いてもいいのですが、圧電スピーカーが手軽です。圧電スピーカーの中には圧電振動板が入っていて、電圧を加えると板がたわみます(下図)。変形はわずかで、板のままでは小さな音にしか聞こえませんが、これを紙コップなどに貼りつけると大きな音になって聞こえます。

  5. AVRマイコンの以下の回路を組み立てます。ただし圧電スピーカーBzzの代わりにスピーカーに接続してみます。
    (回路図)(実体配線図)

    デモプログラムは次の動作を繰り返します。(1)〜(5)で、スピーカのコーンが動く様子を確認しましょう。
    (1) スイッチが押されたらLEDを点灯させなさい。
    (2) スイッチが押されたらLEDを消灯させなさい。
    (3) スイッチが押されたら500ms点灯 500ms消灯を5回繰返しなさい。(1Hz 5秒)
    (4) スイッチが押されたら5ms点灯 5ms消灯を200回繰り返しなさい。(100Hz 2秒)
    (5) スイッチが押されたら「ドレミファミレド」の音を出しなさい。
    (6) スイッチが押されたらTVリモコンのチャンネルUP信号のタイミングでLEDを点滅させなさい。
    (7) スイッチが押されたらTVリモコンのチャンネルDOWN信号のタイミングでLEDを点滅させなさい。


2. 音階と周波数

  1. パソコンでWaveGeneというソフトを起動し、上の(4)に相当する信号を発生させて聴いてみましょう。周波数が100Hzということは「1秒間に100回波形が繰り返される」ということですから、ひとつの波形の時間(周期)は100分の1秒つまり10ms(ミリ秒)となります。

  2. ラの音(A4)は440Hz、1オクターブ高いラ(A5)の音は880Hzです。その間は隣同士(半音)の周波数の比が 21/12 = 1.059463... となるように音階が作られます。下図に周波数を計算してみましょう。

  3. WaveGeneを使い、計算した周波数で「ドレミ...」の音を聴き、正しい音階になっていることを確認しましょう。また、手元に楽器があれば音を比べてみましょう。

  4. WaveGeneで波形を矩形波・サイン波・三角波・ノコギリ波と変えてみて、音の違いを確認しましょう。

koyama@cc.hirosaki-u.ac.jp