第6学年3組  社会科学習指導案

1 校 時

コンピューター室

                               指導者 天内 純一

提 案  郷土の歴史を意欲的に調べ,歴史的事象についてより深く思考し判断する
 能力を育成するために,インターネットを利用した情報発信・交流を取り入
 れる。

1.単元名 歴史を学ぶー郷土の紹介

2.指導にあたって

  (1) 子どもの身近には歴史的な史跡が数多く残されている。津軽藩の本拠地であった弘
    前城址,津軽為信が津軽統一にあたって滅ぼした県内の武士達を供養する目的で建立
    された五重の塔,寺院を集めた禅林街,また,明治時代の名工堀江佐吉が丹精込めて
    造り上げた旧青森銀行(記念館),旧弘前市立図書館など,弘前は史跡に抱かれた街
    と言ってよい。

    県内に目を向ければ,縄文時代についての新発見が相次ぎ,歴史研究に大きな波紋
    を投げかけた三内丸山遺跡,江戸時代の頃から注目されていた亀ヶ岡遺跡など枚挙に
    暇がない。

    しかし,自分の住んでいる地域がこのように歴史的な史跡に恵まれていることに気づ
    いている子は少ない。桜祭りなどの行事を除いては6年生の日常生活の中で史跡にふれ
    ることが少ないのである。また,弘前市の町並みが複雑になっており,史跡の存在に気
    づかせないことも一因となっている。



  (2) 本単元のおもな学習のねらいは,弘前市や弘前市以外の青森県内に残っている史跡や
    文化財を実際に見学したり触れたりして,歴史学習に興味・関心を持つとともに,歴史 
    を学習する意味についても考えることができることである。

    史跡を数多く見学したり,歴史資料館を利用することによって子どもは,自分とのか
    かわりを意識するとともに歴史をより実感的に捉えることができるのである。



  (3) 子どもの学習意欲を高め,社会的判断力を育成するため,次のような指導の手だてを
    とることにした。

    ①史跡調べの目的を,自分自身の郷土理解だけに止めず,他者へも紹介することとし
      ,幅広い調査活動がなされるようする。

    ②インターネットのホームページに掲載する内容を,読み手の立場で考えさせること
      によって,社会的事象の捉え方が個人によって異なることに気づき,客観的な取捨 
      選択ができるようにする。 

    ③発信した郷土の歴史のホームページについて,他者からの指摘をもとに再構成した
      り改善したりする活動を通して,資料活用の技能を高め,多面的なものの見方や判 
      断力を養う。



     また,社会的判断力の育成と同時に,子どもが自分とのかかわりを大切にしながら
     実感的に歴史的事象をとらえることができるよう,年間を通して,郷土紹介のページ
     を弾力的・継続的に作成させることを考えている。

     さらに,歴史学習が社会科の時間だけに止まらず,総合的に学習されるよう,図工
     との合科学習や学校行事との関連を考える。具体的には,図工の時間を利用した土器
     づくり(野焼き)と社会科の縄文時代の学習とをクロスさせること,また,三内丸山
     遺跡見学でわかったことををインターネットのページで紹介することなどである。



3.単元のねらい

  o三内丸山をはじめ,県内各地に残っている遺跡や文化財などを意欲的に調べて,自分た
    ちの今の生活が,遠い祖先の生活とかかわりがあることに気づく。

  oコンピューターのインターネットを利用した情報発信・交流を通して,資料活用技能を
     高めるとともに,歴史的事象について,より深く思考し判断する能力を高める。   


 4.単元の構想 (本時 4/5)



    ( 略 )


[指導計画]
 
子 供 の 活 動  教 師 の か か わ り
1.ホームページ作成会議を開く。
  o郷土の歴史を紹介したホームページを見て,小学生に
   とってわかりやすいページかどうか,また,改善点は
   ないか話し合う。


  o三内丸山遺跡紹介のページづくりの留意点を話し合う。

      (三内丸山遺跡の見学)

      (縄文土器づくり )


2.三内丸山遺跡紹介のホームページをつくる。

     o見学のまとめ・資料収集

     oホームページづくり


3.三内丸山遺跡やその他の郷土紹介のホームページに寄せら
 れた感想や質問をもとに改善点を考えたり,回答のメール
 を送ったりする。


4.ホームページの改善



5.学習したことや弘前を探険してわかったことをもとに,
 ページ数を増やす。
・全国の附属や公立の小学校の子
 どもが作成したホームページの
 中から,参考になるページを選
 び出しておく。


・グループ別に分担する項目や内
 容について計画を立てれるよう
 プリントを作成し支援する。







・(社会見学のためのしおりづくり) 
 (行事)


・(図工の時間との調整)
  (図工)


・遺跡の写真をJPEGにしてホ
 ームページに取り込む。感想や
 説明はシンプルテキストに書い
 たものを一括してHTMLで作
 成する。


・ホームページにメールが届くよ
 う,他校との連絡を密にしてお
 く。

・ページ内容の改善した点や質問
 への回答は,子どものフロッピ
 ーに記録させ,一括して修正し
 たり,メールを送ったりする。

・前時の続きに取り組ませる。


・陸奥新報NIEの「探険弘前
 の記事を参考にさせる。
     

5.本時の学習(3/5)  

(1)題材名 郷土の紹介のホームページをつくろう

(2)ねらい  作成した郷土紹介のホームページについて,他の学校の子どもに理解しても
        らうために改善したり,三内丸山遺跡について新たに出てきた疑問について調 べたりする。
(3)展開

子 供 の 活 動教 師 の か か わ り
1.自分たちで作成した「三内丸山遺跡の紹介」「郷土紹介」
  ホームページについて,努力したところや工夫したところ
  などを話し合う。


2.ホームページについて寄せられた感想や意見を読み,改善点
  や回答について話し合う。

    oホームページの改善

     ・わかりにくい説明

     ・強調する箇所の字の大きさ・色

     ・写真の大きさ・カットの大きさや調和

     ・全体の構成など


    o質問への回答

     ・疑問点など


3.ホームページを手直しする。

    質問への回答をフロッピーに書き込む。


4.改善が適切であるか話し合う。

    回答が要点をおさえたものになっているか話し合う。
o郷土紹介のいろいろなページにアクセ
 スできるようホームページ全体の構
 成を適切にし、リンクをはっておく。



o教室の前方に集合。メインスクリーン
 を見ながら話し合わせることによって
 全体で,個のよさを認めることができ
 るようにする。 

o他校の児童の感想や疑問点を整理し、
 より見やすい大きさにしたり・字体に
 しておく。


o現在のページと改善点が交互に見れる
 よう画面構成を工夫する。


o意見や改善点についてよく理解出来な
 い場合は,他校の適切なホームページ
 から具体的な例をあげて,考えさせて
 いく。


o質問への回答は,資料をもとに調べる
 だけでなく,インターネットを利用し
 て調べさせる。


o手直しや質問への回答は子どもがそれ
 ぞれ持っているフロッピーに書き込め
 るようにする。


o改善した箇所や質問への回答が適切で
 あるかが一目でわかるよう,フロッピ
 ーをもとにホームページを変える。質
 問と回答もホームページの一部に取り
 込むようにする。

このページは1997年に天内純一氏が作成しました。
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