市議会の議場を訪ねて

冬休みの探険計画

 いよいよやってきた冬休み。長い休みの探険計画を立てるお姉さんのユミちゃん。六年生は歴史の勉強が終わり、十二月から政治や世界の国々の学習が始まっている。

「先生が言っていた弘前市の市議会の議場を本当に見学できるのかしら?」
教科書の八ページを見ていたユミちゃんは、弘前市の市議会でどんなことについて話し合っているのか調べてみたくなった。

 お父さんに頼むと、電話帳で市役所の議会事務局を見つけて、問い合わせてくれた。

弘前市役所へ

 予約さえすれば自由に議場を見学させてもらえることがわかって、ユミちゃんとお母さん、ジュンちゃんと三人で出かけることにした。市では、弘前市民十七万人の生活を豊かにするために、千四百人もの職員が働いている。(水道・環境・消防で働く人々を合わせると、千七百人にもなる。)その心臓部にあたるところが、市役所の庁舎である。市役所を見学することはめったにないので、ジュンちゃんは見るものがすべて珍 しい。一階で市民課の人たちが忙しそうに働いている。

市議会の議場見学

 議会事務局の小田桐さん、赤石さんがユミちゃんたちを案内して下さった。議場は二つの階を占めている。天井がとても高く、まるで映画館のようだ。「教室の三倍くらいの 大きさかな?」とユミちゃんは思った。意外に狭いというのがユミちゃんの第一感想。教科書と違っていてとてもびっくりしたのはジュウタンの色。赤ではなく草色に近かったのである。

「テレビでよく赤いのを見るから、そう思い込んでいるのね。」
お母さんもびっくりしていた。

 ジュンちゃんは、議長席に座らせてもらって満足顔。背もたれがとても高くて頭が隠れてしまう。

 二階は傍聴席になっていて、三十人以上の人が議会の様子を見れるようになっている。新聞記者席もある。陸奥新報・東奥日報の他に、大きな話題になる議題がある時は、朝日・毎日・読売など中央の新聞社や秋田県の新聞社もやってくるということだ。

弘前市議会の議員は現在34人

 議員の名簿や議席図をもとに、赤石さんと小田桐さんがくわしく説明して下さった。

「最年少と最年長の議員さんでは四十五才もちがう!」
ジュンちゃんは年令差に感心している。教科書にのっている「政党」はないが「会派」があり、木翔・明政・社会民主・日本共産・公明・無所属になっている。木翔会が十七人と約半分を占めている。

今年の主な議題

 五百五十億円の市の予算を有効に使うために市長さんを中心に市政懇談会を各地区で開いている。身近な側溝をなおす話など要望を細かく聞いて歩くという。

「伝統ある弘前市をよりよい街にしようと頑張っているんだ」
「女性議員が少ないから将来私も・・・」
ユミちゃんの夢がふくらむ。

(1996.12.29)

このページは2000年頃に天内純一氏が作成したものです。
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