ユミちゃんの探検!弘前 坂上田村麿

坂上田村麿が創建したという言い伝えのある神社

 ユミちゃん(お姉さん)の今日の探険は,坂上田村麿(サカノウエノタムラマロ)が創建したという言い伝えのある神社である。

「菅原道真と同じ平安時代に活躍した、坂上田村麿に関係のある神社はどこにあるのかしら?」
二、三日前に学校で先生や友達に聞いてみたことがあった。

「棟方神社という所に行ったら、そこに水の神の弁財天をまつるように坂上田村麿が言ったということがわかったよ。」
とトモエちゃん。

「岩木町にある羽黒神社でも見たわ。田村麿が眼を悪くしたときに泉の水で洗ったら治ったんですって。」
キエちゃんは,いろいろな所に探険に行っているのでとてもくわしい。

 先生が貸してくださった青森県の歴史物語という本(日本標準発行を見ると、津軽地方には,坂上田村麿の創建による神社がたくさんあることがわかった。

 お母さんが電話で青森にある神社庁に問い合せたらくわしい場所などがわかった。

ドライブがてら神社巡り

 神社庁から戴いたファックスをもとに、家族で市内にある三つの神社をまわってみた。

 友達の典信君、仁美さん、さやかさんが住んでいる岩木町にも行ってみた。ここには、羽黒神社、岩木山神社があった。

「古くから由緒ある神社が田村麿に関係があるんだなあ」
ユミちゃんはとても大事なことを発見した。今回は行けなかった、康高君の住んでいる尾上町の猿賀神社も坂上田村麿創建の言い伝えがあるらしい。

坂上田村麿創建の神社が多いのはなぜ?

 お父さんに調べてもらったら、田村麿が津軽に神社を建てたというのは言い伝えにすぎないということがわかった。それにしても、津軽の人々にすれば、坂上田村麿は自分たちの祖先とも考えられる蝦夷(えぞ)を征伐にやってきた人である。敵である坂上田村麿が、どうしてこれほど大切にされているのか、考えてみると不思議な気がする。

 予想されることは、田村麿が武勇にすぐれていただけでなく、農業技術を広めたり、仏教など信仰を大切にした人ではないかということである。そのため敵である蝦夷の人々に慕われのではないかとも考えられる。また、田村麿の後に津軽にやってきた支配者が、田村麿の威力を利用したからかなとも考えられる。

ユミちゃんの次の探険は鎌倉時代!

 ユミちゃんたちの勉強は、今は鎌倉時代に入っている。この時代に新しくおこった仏教として、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗などがある。

 ユミちゃんの家のお寺は禅林街にある京徳寺である。曹洞宗のお寺らしい。

「和尚さんにあって、鎌倉時代に曹洞宗を開いた『道元』という方のお話を聞いてみるのもいいなー」ユミちゃんは次の探険をとても楽しみにしている。

(1996.7.16)

このページは2000年頃に天内純一氏が作成したものです。
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