父や母が津軽塗りの職人でしたから、私も小さい時から津軽塗りを見て育ちました。大学では、絵や工作、塗り物などについて勉強しました。 30才になって、それまでのつとめをやめて、津軽塗の仕事をはじめました。うるしの美しさにひかれたのです。 化学品を使って機械でつくったものとは、まったくちがう美しさやあたたかさがあってわたしはこの仕事がすきです。 津軽ぬりは、気持ちをこめていっしょうけんめいつくると、よいものができあがります。ぬったあと、「ふろ」という、おしいれのようなところで、しぜんにかんそうさせます。この時、温度のかんりをまちがうと、たいへんなことになります。子どもを育てるのと同じで、かわいがって、よく気を使ってつくるとすばらしいものが出来上がります。 |
斎藤さんは、弘前市の子どもたちに、津軽塗についていろいろなことを教えています。 津軽塗をやってみたいという子どもたちには、家の人の許可があれば、じっさいにつくらせたりしています。 津軽塗をできるだけ、たくさんの人に好きになってもらいたいという願いからです。 |