酒東47会(宝物殿)


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「風の棲む町」とグリーンハウス
進藤 2002年01月26日(土) 00時24分
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盛り上がりのところ唐突ですが、丸本レコードに次ぐ思い出シリーズ、グリーンハウスにまつわる話をします。

ねじめ正一の「風の棲む町」(平成8年刊)をご存知でしょうか?知る人ぞ知る、酒田大火を舞台にした青春小説です。主人公が「至山堂」という本屋の次男なのだが、どうも青山堂書店がモデルらしい。
先日古本屋で文庫本(新潮文庫)になったのをみつけたので買って読んでみた。特別この本に肩入れするほどの感想はなかったが、ちょっと気になったことは「風の棲む町」という題名が「青春ぐんぐん書店」という、まるでB級小説風の名前にあっさり改題されてしまったことだ。そんなことどうでもよいかもしれないが、私は「風の棲む町」という題名を結構気に入っていた。作品の良し悪しに関わらず、この題名がいともあっさり消えるとは悲しいことだ。

実はこれには、こだわりたい理由がある。というのは、大火からしばらくたって、同期の仲間たちと東京で飲んだときのこと。誰かしら「グリーンハウスの焼失は、青春時代の終焉を意味している」と、ちょっといいかっこしーかもしれないが、そんな話にえらく盛り上がった。そのときA君が、名画「アメリカングラフティー」とダブらせながら、グリーンハウスを舞台にした我われの青春映画を作りたい、と熱く語ってくれた。A君はもう忘れてしまったかもしれないが、私はそれに大きくうなずいたことを今でも覚えている。私たちにとって酒田大火は忘れられない事件だが、グリーンハウスが火元だったということも同じようにショックなことだった。なにせグリーンハウスにまつわる青春物語は、だれもがひとつやふたつ語れる。それだけに何かを残したいという思いはつよい。

ところが「青春ぐんぐん書店」の中のグリーンハウスでは「愛のコリーダ」が上映されていた、というくだりしかない。違うんだよな、と叫んでしまう。でもどだい東京生まれのねじめ氏に要求すること自体無理な話だ。欲を言えばやっぱり、ねじめ氏より酒田の人間に書いてほしかった。
願わくは酒田の人による「風の棲む町」の出版もしくは映画化を待望したいものだ。でも見果てぬ夢に終わりそうだ。結局、グリーンハウスと共にあった青春の心象風景は、ひとり一人の胸にしまっておくのが一番ふさわしいということか・・・・。でも何か残したいだよね。みなさんもそう思いませんか?


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